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  • 10/24/09:29

06.09.01:43

訃報

嬉しいことと、悲しいこと。
それが一日にふたつもあると、気持ち的にも結構忙しい。
実は今夜はデートだったので、ふたつじゃなくて「楽しい」もあったのだけれど……。

夕方、彼氏とのデートの直前に、私の元へ訃報が舞い込んだ。
幼い頃に可愛がってもらった小母さんが、癌で逝った。

この春に会った時には、だいぶ痩せて小柄になっていた。
もう長くないとは聞いていたものの、この春に一緒にお花見をした時には、嬉しそうで、楽しそうで……希望的観測もあって、この調子なら来年も大丈夫かもしれないという印象だった。
あれが小母さんの最後の笑顔だと思うと、ファインダー越しではなく、もっとこの目で直接、小母さんを見ておけばよかったと後悔が残る。

小母さんとしたお花見は、あの日が初めてだった。
我が家流のお花見は、とっても庶民で平凡で慎ましく、別段変ったところもないのだけれど、小母さんにも小父さんにも、そういうお花見は経験したことがなかったらしい。

――お花見でお弁当を食べたあとは、レジャーシートに寝転がって、上に向かってのびている桜の枝や花と空を一緒に楽しむんだよ。

私がそう言うと、「そんな、外で寝転ぶなんて、ひとが見ているのに」と、最初は恥ずかしがっていた。
先に寝転んだのは小父さんのほうで、感嘆の声をあげた小父さんが「お前もやってみろ」と薦め、ようやく小母さんも寝転んだ格好で桜を見上げ、びっくりしたような声をあげたあと、喜んでくれていたものだけれど……。

来年のこの時期になったら、またお花見をしよう。
……私は小母さんと、お花見の時に、そう約束をした。

こんな楽しみ方は知らなかったわ、やったことがなかったなんて勿体なかったわ。
今年の桜はもう終わりだから、絶対に来年もまた連れてきてね。
……童女のように笑いながら、小母さんはあの日の別れ際に、私にねだった。

果たされなかった約束は、他界した小母さんの最後の心に、まだ残っていただろうか?
できることなら、あの日に楽しんだ桜と空の思い出は覚えていても、守れなかった約束なんて忘れて欲しい。

季節外れの桜の花が一輪あれば、弔いの花として手向けたいけれど、この時期に花屋をあたっても、果たして桜は見つかるだろうか?
お花見の時に桜を写したけれど、小母さんの魂への手向けが印画紙というのは、いかにもあんまりだ。
せめて、あの日の春の風に感じたはずの花と若葉の息吹が小母さんに届くよう、桜のお香を、そっと棺の中におさめてこようと思う。
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